商業登記漫歩 平成16年11月15日号(11号)

◇ 11月13日(土)、東京は木枯し第1号が吹いたとのことですが、日中は、それほどの寒さもなく、まずは穏やかな1日だったと思います。今年も商法が2度改正され、年賀状の準備をする季節となりましたが…

◇ それにしても、11月8日発売の「エコノミスト」の特集には驚きました。
  特集は、「会社法の暴走」として、次の4項目をとりあげ、早稲田大学の上村達男教授が経済界に苦言を提しています。

 ①種類株式 UFJを完全支配する三菱東京「拒否権条項」の根拠
 ②企業結合 今後も使える三井住友「逆さ合併」の会計マジック
 ③株式交換 既に始まった外資「日本買い」の複雑怪奇なテクニック
 ④持ち株会社 二度おいしい「みずほ二重持ち株会社」のカラクリ

◇ 平成11年から毎年商法の改正が続き、平成17年には、いよいよ会社法が制定されます。どのように立派な法制度ができても、これを利用する側に問題があれば、制度の趣旨は生かされません。しかし、経済は生きもの、戦いです。勝つためには合法的手段は何でも使う。これが経済の実体であることを思えば、どちらの主張が正しいのか、考えてみる必要がありそうです。(満)