商業登記漫歩 平成23年12月26日号(44号)

◇ 今年最後の商業登記漫歩です。平成23年は内外ともに多難な年でした。3.11の東日本大震災及び原発事故は、史上最大ともいえる被害をもたらしましたが、その傷跡も癒えぬうちに、被災地には厳しい冬が到来しています。一国民として被災地のためにできることを、引き続き実践していきたいと思います。
  ギリシャに端を発した財政危機は、今やヨーロッパ全体を覆う危機となり、わが日本も安閑としてはおれない状況で、先進諸国全体が閉塞感に覆われている状況です。しかし、来年は、がんばろう東北!、がんばろう日本!から、自信を持とう日本!と行きたいものです。
  国際政治の面では、2人の独裁者がこの世を去りましたが、アラブと北東アジアの明日も気になります。北朝鮮のミサイル・テポドンが、日本全土を標的にしている事実を忘れてはなりません。

◇ ところで、商業・法人登記の世界では、実務上は、期限付き解散の決議に基づく「解散公告」が官報から消えたことを除けば、特に注目すべき先例等は発出されていません。ただし、2週間を超える期限付き解散の決議に基づく解散の登記の申請が受理されなくなったこととの因果関係は明確ではありませんが、解散の決議の日と解散公告の日との間に数カ月の間隔がある解散公告が相当数見受けられるようになりました。かつてはこのような公告はほとんど見受けられませんでしたので、ちょっと気になります。
  商業登記所の集中化も進みました。一応、来年3月31日が完了目標年次とされていますが、これに対する司法書士会の対応は十分でしょうか。沖縄県司法書士会館には、5・6年前から『会社登記の専門家 司法書士は企業法務をサポートします』(これ以外に、債務整理も相続登記等の文言も一切ありません。)という大懸垂幕が掲げられていますが、東京を除く(東京都内の商業登記所の集中化は発表されていません。)他の司法書士会の「商業登記所の集中化」に対する対策は大丈夫でしょうか。日本司法書士会連合会は、『会社・法人登記のことならあなたの街の司法書士に!』というポスターを作成・配付し、月報司法書士7月号にも同文の広告を掲載していますが、『登記所ではなく、ほんとうに、あなたの街の司法書士に相談して、ほとんどの司法書士が対応していただけるのでしょうか。』(商業登記倶楽部の会員はご心配ご無用です。商業登記倶楽部がバックアップします。)。万一、対応しない司法書士がいるとすれば、行政書士が生半可な知識で対応せざるを得ないことになり(司法書士の数より行政書士の数の方が多く、行政書士は全国津々浦々にいます。)、行政書士の商業登記代理権獲得運動の新たな口実となりますが、それでもよろしいでしょうか。全国の司法書士会の具体的な行動を期待します。

◇ 商業登記倶楽部は、平成5年7月1日の商業登記制度100周年記念日に発足し、同年8月27日・28日の両日、栃木県奥日光のホテル湯の家で第1回夏期商業登記セミナーを開催しました。来年の夏期商業登記セミナーで20回になります。そこで、来年の夏期商業登記セミナーは、「第20回記念夏期商業登記セミナー」として、8月18日(土)・19日(日)札幌市のホテルノースシティで開催することにし、現在参加者募集中です。詳細は、「主宰者からのお知らせ」に掲載していますので、是非ご覧いただき、ご参加ください。参加資格は、商業登記倶楽部会員に限ります。
  なお、当日の配付資料(一部有料)として、次のものを計画しています。
  ①写真で見る商業登記倶楽部20年の歩み ②商業・法人登記実務相談事例1000問(上下2冊) ③株主総会・取締役会の書面決議書式集 ④商業・法人登記白書 ⑤商業・法人登記六法

◇ 先週は、19日(月)、田舎の中学の東京在住者の同窓会、出席者は元気な高齢者ばかり9名で、帝京大学名誉教授という女史もいました。20日(火)、現職時代各省庁から参加した「行政管理セミナー」の同期会の忘年会。当職の迎賓館である居酒屋「味泉」(ミシュラン1☆の居酒屋)で開催。参加者は、銘酒を愛する4人組(某最高裁判所判事、小畑厚木公証役場公証人ほか)で、十四代の大吟醸、黒龍のしずく、獺祭等等を存分にいただきました。21日(水)、第15回ホームページ運営協議会。本年締めの行事で極めて有意義な会合でした。22日(木)、本年最後の大学の講義。定年を超えていますが、来年4月以降も客員教授を務めることになりました。以上忘年会は、12月だけで計10回でしたが、30日に大トリの忘年会があります。
  皆様良いお年をお迎えください。新年の会員用「商業登記漫歩」は10日スタートですが、6日(金)開催の神奈川県司法書士会等5団体共催の賀詞交歓会出席が平成24年の行事第1号です(満)