商業登記漫歩 平成28年3月28日号(62号)

◇ 「各種法人の登記」に関する神奈川県司法書士会の研修会盛会でした。
 3月26日、「各種法人の登記」に関する神奈川県司法書士会の研修会が盛会裏に終了しました。これは、拙著「完全マスター各種法人の登記Q&A」(東京司法書士協同組合発行)を教材に、当職が元気なうちに、長年お世話になった司法書士会へのご恩返しに、全国的に実施することを計画しているもので、その第1号が神奈川県司法書士会だったというわけです。所要時間は、10:00?17:00の6時間でしたが、各種法人登記を完全にマスターする秘伝を伝授するには、5?6時間は必要と感じました。
◇ ところで、前号の漫歩でも述べましたように、商業登記の場合は、「登記の対象となる商人は、5種類(個人商人、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社)、その根拠法は、商法と会社法の2つ、登記の手続きについては商業登記法が制定されています。したがって、商業登記は、やる気さえあれば、定評のある入門書もあり、学び方に戸惑うこともありません。ところが、法人登記の場合は、登記の対象となる法人の種類は、約260種類もあり、その根拠法は196、登記の手続きについては法人登記法は制定されておらず、22の法令に分かれており、これらを体系的に解説した書籍もほとんどありません。つまり、法人登記は、やる気があり、学ぶ気があっても、まず、どのような書を読み、どのようにして学べばよいか戸惑うのが普通です。加えて、法人登記は、登記の前提手続として行政庁の許認可を要する場合が多く、これは行政書士の業務とされています。ここにも法人登記のとっつきにくさがあります。」
 そこで、やる気はあるが、その学び方に戸惑っている司法書士の皆さんに、各種法人の登記をマスターする秘伝を伝授できればと考えて、今年のテーマを「各種法人の登記」とさせていただいた次第ですが、幸い星野会長、野入研修部長さんを始め研修部の皆様のご理解とご支援をいただき、感謝申し上げます。
◇ 第1回目の研修会を終えて思うこと。
 今回の神奈川県司法書士会の研修参加者は約200名、6時間の長時間を皆さん熱心にご聴講いただきました。その受講態度から判断して、各種法人の登記をマスターしたいという参加者の熱意を感じ、当職も感激しました。
 ところで、この法人登記の代理申請業務も、たとえ事件数は少なくても司法書士の一丁目1番地の業務、しかも、それが司法書士に独占的に認められた業務である以上、司法書士には、国民のニーズに的確に応える義務があります。当職も、頑張りますので、司法書士の皆さんも国民のためによろしくお願いします。
 なお、研修教材の「完全マスター各種法人の登記Q&A」については、これは言い訳にもなりませんが、当初は4月23日実施の関西支部セミナーから使用する予定のところ、今回の神奈川県会の研修会に間に合わせるように大急ぎで出版したため、誤記、説明不足の箇所等がありますが、これらについては、当漫歩で順次、補足・訂正していく予定です。(満)